🍑ヨガの八支則について〜ヨガが目指す幸福への8つの段階〜

以前「ヨガとピラティスの違いは?どちらが向いているのか解説!」の投稿で

『ヨガの八支則』についてのお話を行なっていきました。

今回はヨガを行っている人もそうで無い人もぜひ覚えてほしい!『ヨガの八支則(はっしそく)』について解説を行っていきます。

八支則についての理解が深まると

💡

・ヨガのレッスンを受けるモチベーションが上がる

・日常生活の過ごし方がより良いものに変わる

・考え方や感じ方が変わる

・ヨガを通して心身ともに変化や成長を感じることができる

といったメリットがあります。

今ヨガのクラスに参加している人、これから参加をしてみようか検討をしている人にぜひ読んでもらいたい内容です。

それでは今回もよろしくお願いします♪

ななむらももな

【この記事を書いた人】

ヨガ・ピラティスインストラクター

「運動と生活の質を高める情報を各SNSで発信中」

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ヨガが目指す「幸福への8つの段階」

ヨガの教えには八支則(=アシュタンガ)という『ヨガが目指す幸福への8つの段階・行法』があります。

ヨガの聖典「ヨーガ・スートラ」(著:聖者パタンジャリ)の中に出てくるヨガ哲学の基本的な教えを示しているのものです。

①ヤマ(避けるべきこと)

②ニヤマ(追求するべきこと)

③アーサナ(座法・ポーズ)

④プラーナヤーマ(呼吸の統制)

⑤プラティヤハーラ(感覚器官の統制)

⑥ダーラナ(集中)

⑦ディヤーナ(瞑想)

⑧サマーディ(三昧)

の8つの段階に記されており、①から順番にステップを踏んでいくことが大切になります。

オススメのヨガスートラ

↓↓↓

この中でも、①ヤマ・②ニヤマは日常生活の中での行動を示したものであり、ヨガのクラス以外でも実践するべき基本的な教えです。ただ、基本的だからこそ実践するのが難しいと言われています。

現在の日本のヨガスタジオでは、③アーサナ(ポーズ)の練習や④ディヤーナ(瞑想)を行うことがメインとされていますが、このヤマ・ニヤマが実践できていなければ

3段階目のアーサナを練習しても進歩につながらない」と考えられています。

また、瞑想は7段階目と、かなり高いですよね。

慣れていない人がいきなり階段を6段飛ばしで登ることができないように、なんとなく瞑想をするというのは難しいということがわかると思います。

また、③アーサナ・④プラーナヤーマのみ、達成できているかどうかを他者から見極めることができるため、独学ではなく指導者の存在が大切であると言われています。

それ以外の段階は自分にしかわからないので日々の鍛錬・観察が大切になるんですね。

ここでいう幸福は最後の段階(サマーディ)に到達しヨガ本来の目的である

"ヨーガ チッタ ヴルッディ ニローダハ"

ヨーガとは 心の はたらき(作用や思考)を 止滅することである

を達成することです。

では、1段階ずつ見ていきましょう。

①ヤマ(Yama):禁戒 / 避けるべきこと

 日常生活の中で、他人や物に対して「すべきではない」とされる5つの行動規範(心得)のこと。

❶アヒムサ (Ahimsa
  非暴力、非殺生。
  肉体的なものだけでなく、精神的・言葉の暴力も振るってはいけない。
  他人だけでなく、自分に対しても同様。まずは自分を大切にすることから。
 

❷サティヤ(Satya
  正直、誠実であること。
  見栄を張って嘘をつかない。考えと言葉に一貫性を持つようにする。
  自分に正直に生きることが大切になる。

❸アステーヤ(Asteya
  盗まない。
  人のものを奪ったり、独り占めしない。物だけでなく、時間・信頼・権利なども同様である。
  待ち合わせに遅れることも相手の時間を奪っていることになるので注意する。

❹ブラフマチャーリア(Brahmacharya
  禁欲の誓い。
  元々は性に対する欲求を抑え、生涯を独身で過ごすようにとの教えであった。
  現代では浮気や不倫をしないことの他に、あらゆる欲望と快感に惑わされないように注意する。

❺アパリグラハ(Aparigraha
  執着しないこと。
  「まだ、もっと」と必要以上の執着により生まれる貪欲さに振り回されないようにする。
  執着して人から何かを奪うのではなく、自己満足感を高めて与える立場になる。

②ニヤマ(Niyama):勧戒 / 追求するべきこと

 日常生活の中で、自己に対して「実践するべきである」とされる5つの行動規範(心得)のこと。

❶シャウチャ(Saucha
  清らかさ。
  自分自身の心身や考え、身を置く環境を清潔に保つこと。身だしなみを整えることも含まれる。
  嫉妬やネガティブといった感情も排除するよう心掛ける。

❷サントーシャ(Santosha
  「足る」を知ること。
  与えられた環境に感謝し、満たされていることに気づき満足すること。
  今どんなに苦しくても、起きることには全て意味がある。起こるべくして起こっている。
  今あることが当たり前ではない。感謝をして満足することが真の幸せに近づく一歩。

❸タパス(Tapas
  努力をすること、修練すること。
  生きていく上での試練や問題を後回しにしせず、自分の成長の糧になると受け入れる強さを持つこと。
  ただ、自分を痛めつけるアヒムサにならないように注意をする。

❹スワディアーヤ(Svadhyaya
  継続的な聖典や書物の勉強。
  経典やマントラなど自分の心を良い方向へ導いてくれる書物を読み、向上心を持って学習すること。

❺イーシュワラ・プラニダーラ(Ishvarapranidhana
  神への信仰、感謝の念、献身的な気持ちを持つこと。
  自分ではどうすることもできないこと(自然の力、時代の変化など)を受け入れ、身を委ねること。

③アーサナ(Asana):座法・ポーズ

 瞑想に適した「安定して快適な坐法」を身につけるための練習をすること。

現代ではさまざまなポーズをとることでダイエット効果やストレッチ効果があると言われているが、本来は長時間の瞑想に耐えるために、さまざまなポーズを実践して体力や精神力をつけることを目的としていた。

また心と体は繋がっているため、自分の身体感覚や心の状態を観察し、他者と自分を比べたり良し悪しを判断することなく、その空間と一つとなるような感覚を持つことが大切となる。

これにより、次の④プラーナヤーマ(呼吸の統制)、⑥ディヤーナ(瞑想)の準備を整えていく。

④プラーナヤーマ(Pranayama):呼吸の統制

 調気法とも言われ、瞑想を深めるために呼吸を整えること。

「プラーナ」は『生命エネルギー』

この生命エネルギーは目に見えない物であるため、自分の感覚を深めて整えていくことが大切になる。


呼吸と心と体の状態は繋がっている。例えば、呼吸が落ち着いて安定していれば心も穏やかで体がリラックスする。

逆に呼吸が浅く不安定であれば心が落ち着かず体が緊張してしまう。

理想的なプラーナヤーマを実践していくためには、「正しい姿勢・坐法」を心がけることが大切となる。

③アーサナの実践を通じ、身体を鍛錬して呼吸を深めやすい状態にすること。

⑤プラティヤハーラ(Pratyahara):感覚器官の統制

 感覚の制御とも言われる。

外側に向いている五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)を内側に向けていく。感覚に意識を向け続けて繊細に感じること。

感覚を内側に向ける練習をしなければ、瞑想の境地に到達することはできない。ただ、感覚を我慢したり抑えつけたりするのではなく、常に自分を冷静に客観視していくこと。

「感じる」というのは自然なこと。しかし感覚を通して新たな感情を生み出してしまうことは「今」から離れてしまうことでもある。

日々起こるさまざまな出来事や問題に感情を振り回されない、五感に対して自分自身でコントロールできるようにしていくことが大切となる。

これからお伝えをする
⑥ダーラナ
⑦ディヤーナ
⑧サマーディ
の3段階(サンヤマ)は、区切りのつけられない一連の流れとなり
『瞑想状態の深さ』が異なります。

 

⑥ダーラナ(Dharana):集中

 物事に集中しようと「努力すること

意識を特定の対象物(一点)に長時間留めておく『努力のいる集中』である。

心が集中すればするほど、一点に向かう大きなパワーが生まれる。

この段階を深めるためには呼吸を数えるのが一番わかりやすい。
お腹の動きや呼吸の温度などまずは呼吸に集中し続ける練習を行うと良い。

心に隙ができると「ふと」違うことを考えて意識が散漫になってしまう。「集中すること」から心が離れてしまったら、なるべく早く気がついてまた集中している対象に心を寄り添わせることが大切になる。

⑦ディヤーナ(Dhyana):瞑想

 雑念から解放された無我の境地

意識が積極的な努力なしに一方向に深く集中している状態。

自分と他を分け隔てなくなった意識の状態』のことを指す。

⑤プラティヤハーラ(感覚制御)と⑥ダーラナ(集中)が深まり外側と内側が融合する。

これは意識的に作る段階ではなく、八支則のステップにより積み上げられた深く穏やかな精神状態である。

⑧サマーディ(Samadhi):三昧

 悟り、三昧、超意識。一つになる、同化する。

煩悩からの解放。心が完全に対象物に吸収され、それと一つになることに成功した状態。

そこに何も存在せず、自分と集中の対象物を区別することなく混ざり合って一体感を感じている状態。

これまでお伝えした7つの段階を「意識せずとも無意識にできている状態」のことである。

この段階に達するにはかなりの練習が必要になる。

終わりに

 みなさんが俗にいう「悟りを開いた」という状態は⑧サマーディの段階です。

もう一度言いますが、サマーディの段階に達するにはかなりの練習が必要となります。さまざまなものに心を揺さぶられるこの時代で、悟りを開くということはそう簡単ではないのです。

まずは八支則の最初の段階である①ヤマ・②ニヤマから日常生活に取り入れてみましょう。この段階はヨガに限らず、人として大切なことなので、全ての人が意識するべき段階と言えます。

これをきっかけに、皆様の生活がより良いものになりますように。

ご愛読ありがとうございました♪

ななむらももな

愛知県在住で、ななむらももなの対面パーソナルレッスンをご希望の方は公式LINEからご連絡ください♪

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ななむらももな

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🍑ヨガの八支則について〜ヨガが目指す幸福への8つの段階〜” に対して2件のコメントがあります。

  1. かっちゃん より:

    ヨガって瞑想とか集中とかのイメージ強いけどそれ以外にもたくさんの意味があるんですね

    1. ななむらももな より:

      ヨガの先生は優しい人が多いって言われるのはこの八支則の実践があるからかもしれないですね!
      私は優しいって言われないですが・・・(笑)

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